もうひとつの学校、その6

「なあ、兄ちゃん。真面目に生きているものがどうしてひどい目に遭って死ぬんだべな」
愛はドキッとした。
「こんなむごたらしい死に方をするなんて、真面目に生きていてもばかくさいようなもんだな」
(この人も、きっと正しいことをしていたのに、ひどい目に遭ったんだ。
しかも、それで死んじゃった人までいるんだ)
愛は急いで兄ちゃんの答えを探した。
「そうか、ばかくさいか。オレはな、あのまま泥流の中でオレ死んでも、ばかくさかったとは思わんぞ。
もう一度、生まれ変わったとしても、オレはやっぱり、真面目に生きるつもりだぞ」
(ああ、そうか)
うとうとと眠たくなってきた意識の中で、愛は考えた。
「正しいことをしようと思ったのは、私がそうしたかったからなんだ。
ほめてもらうためでも、だれかを助けるためでもなく、私がそうしたかっただけなんだ」
「だって、、、そうしないと、私は私が嫌いになっちゃう」
「だから、正しいことをして悲しい目に遭うことがあっても、仕方ないか。したいことをしただけだもの。
それで、私は私がまだ好きなんだから、まあ、いいかな。
私が私を好きでいるうちは、いつか、ほかの誰かが私をすきになってくれるかもしれない」

似顔絵ウエルカムボードLタイプ
<お客さんから頂いたメッセージ>
本当に可愛くてお気に入りです!!大切に飾らせていただきます。
ありがとうございました!!

もうひとつの学校

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