もうひとつの学校、その5

目が覚めると、ものすごくおなががすいていた。
愛は大根を並べた教室に戻るとたまらなくなって、かじってみた。
苦かったけれど、どんどんかじった。
口の中がひりひりしたまま、愛はまた、学校を廻った。
「私は、なにも悪いことはいていないの。だから、仲間に入れて」
「けんちゃんのことは嫌いじゃないの。でも、嘘をつくのは
いけないことでしょ。私は、嘘をつきたくなかっただけなの」
愛はその昔、子供たちが遊んでいた気配に向かって話しかけた。
だけど、誰も答えてくれなかった。
職員室のしきいにつまずいて転んだ愛は、机の下に忘れられた
一冊の本を見つけた。ほこりをかぶって変色しているボロボロの本。
手にとってみた。字が小さくて漢字が一杯の難しそうな本だった。
パラパラとめくって、それから最後のページを開いた。

アニバーサリー似顔絵
昔、描いた似顔絵です。Sサイズに描いた似顔絵の中で
最も気にっていた一枚になります。サイトに載せるとは思わなかった。

もうひとつの学校

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